立て手続きにNZ移民法改正‐2016年10月、2017年4月発表の改正は、永住権取得にどんな影響が?!

昨年2016年10月ごろにあった移民法改正とそして2017年4月にもまた改正がありましたので、ここらでちょっとどこがどう変わったのか、まとめておきたいと思います。
結論を端的にいえば、ニュージーランドで永住権を獲ることが難しくなってきている、ということにつきます。

このサイトで、テンポラリー(短期間、Permanentではない)のワークビザ取得(Essential Skills Work Visaの申請について)についてご紹介したことがあり、そのワークビザを足掛かりに永住権を取得している方もいると述べたのですが、移民法改正後、その法律の運用が始まれば、テンポラリーのワークビザであるEssential Skills Work Visaから永住権の取得を試みようとする方にとっても今回の法改正の影響がでるので、これまでに比べるとハードルが高くなるといえます。

ニュージーランドの永住権取得について、どこがどう変わったのか?!

変更が加えられたのは、『ニュージーランド永住権における技能移民部門ポリシー(Skilled Migrant Category)』になります。

技能移民部門(Skilled Migrant)において、永住権を申請をしようとしている人、Essencial skills work visaの保有者でこの部門で申請しようとしている人どちらにも関係するのは、以下の2点です。

これまでは1年以上専門職でニュージーランドで雇用されていれば英語力の証明は、免除される場合もあったのですが、今後は、英語能力テストのスコア証明もしくは同等の能力があることの証明が必要である点。

所得に関する境界額が2つ設定された点





これまでは、Essential Skills Work部門から技能移民部門(Skilled Migrant部門)での永住権申請ができていた職種でも年収制限が加わることで、それが出来なくなってしまう場合が出てくる事が考えられます。
もし、Essential Skills Work部門から技能移民部門(Skilled Migrant部門)で永住権取得をお考えの方がいらしたら、その職場での自身のポジションや行っている業務内容、年収が技能移民部門で認可される内容に沿うかどうか、きっちり計画しておくことが大事になってきます。

ということで、具体的に永住権取得に際して、どこがどう変わったのかまとめてみようと思います。

ニュージーランド永住権技能移民部門(Skilled Migrant Category: SMC)の変更点

永住権の一般技能移民部門(Skilled Migrant Category)に入った変更は、ニュージーランドの永住を目的にニュージーランドで働こうと考えている人、または、すでにニュージーランドで仕事を得て働いている人には、見逃せない変更です。

2016年10月にあった変更は以下になります。

(2016年11月21日から適用されています。)

Expression of Interest (EOI)の合計ポイント引き上げ

技能移民部門(Skilled Migrant Category: SMC)は、2段階の審査になっています。その第一審査がオンラインで行われる、Expression of Interest (EOI)と呼ばれるものです。
Expression of Interest (EOI)は、いくつかの要素ごとにポイントがあり、それらのポイントの加算得点によって、第2次審査に通過できるか、EOIで判断されていました。
これまでは、140ポイントあれば、EOIに申請できたのが、160ポイントへと引き上げられました。

上記画像では、最低でも160必要です、と明記されています。

こちらのページから各項目の内容とそのポイントを確認できます。
https://www.new-zealand-immigration.com/are-you-eligible-quick-self-check-guide/

要求される英語スコアの証明

IELTS6.5の証明ができること。
これについては、これまでは、専門職で1年以上働いていた経験があれば、その証明を免除できる場合もあったのですが、改正により、指定されたテストのスコアの提出が必須になりました。
ただ、以下に該当する方は、英語能力テストのスコア証明が不要とされています。

・カナダ、アイルランド、イギリス、アメリカの国籍保持者でそれらの国で5年以上の就労、もしくはそれらの国、ニュージーランド、オーストラリアで5年以上修学している方

・ニュージーランドの学士号レベルの資格をニュージーランド、オーストラリア、カナダ、アイルランド、イギリス、アメリカで2年以上かけて取得している方

・ニュージーランドの修士号レベルの資格以上に相当する資格をニュージーランド、オーストラリア、カナダ、アイルランド、イギリス、アメリカで1年以上かけて取得している方

上記に該当する部分がない方は、英語能力テストの証明が必要です。
オンラインマニュアルがあるのでそちらを詳しく見ていくと英語力の証明は、IELTS6.5だけに限らず、他の指定されたテストを受け、そのスコアの証明ができれば、それでもよいようです。下記のようになります。

テストの名称要求されるスコア
International English Language Testing System (IELTS) - General or Academic ModuleOverall score of 6.5 or more
Test of English as a Foreign Language Internet-based Test (TOEFL iBT)Overall score of 79 or more
Pearson Test of English Academic (PTE Academic)Overall score of 58 or more
Cambridge English: First (FCE)
or
Cambridge English: First (FCE) for Schools
Overall score of 176 or more
Occupational English Test (OET)Grade B or higher in all four skills (Listening, Reading, Writing and Speaking)*
* A score of Grade B or higher in all four skills is required for the OET as there is no overall grade for this test. #colspan#

ニュージーランド政府指定のテストには、日本では有名なTOEICがありません。これは、TOEICのテストは、スピーキングとライティングのアウトプットするというテスト項目がないからだと思われます。(TOEICのテストは、リーディングとリスニング試験だけです。)

ニュージーランド政府指定のテストは、読み、書き、話す、聞く4つのカテゴリーがあることから、いかにそれら4つが身についているかを重要視されていることが分かります。

これから永住権を目指すという方は、しっかり取り組むしかありませんね。

オンラインマニュアル参照
http://onlineservices.immigration.govt.nz/opsmanual/?_ga=1.66085486.1103287140.1493005837
上記のリンク先のページの左側にあるコンテンツから >Residence > Skilled Migrant Category > SM5 English Language Requirements > SM5.5 Minimum standard of English language for principal applicants というように絞り込んでいくと英語スキルについて最低要件を確認できます。

英語要件について
https://www.new-zealand-immigration.com/are-you-eligible-quick-self-check-guide/english-language/

2017年4月にあった変更は以下になります。

(この改正内容は、2017年8月14日から適用になります。)

さて、この改正内容は、2016年の改正よりもさらに、ハードルが上がったという人が出てくると思われます。技能移民部門(Skilled Migrant)において、永住権を申請をしようとしている人にとって、所得に関する境界額が2つ設定されました。

・ニュージーランドの平均年収$48,859稼げている人を(時給では、NZ$23.49 )”Skilled (技術職)”とみなす

・現在”Skilled (技術職)”とはみなされていない職種についているけれど、年収が$73,299 を超える稼ぎのある人(時給では、NZ$35.24 )は、”Skilled (技術職)”とみなす

という内容のことが新しく設定されました。



どういうことかというと、2017年4月に発表されたこの法改正によって、ニュージーランドの平均年収$48,859を稼げていない人は、”Skilled Migrant”とは、みなされず、技能移民部門(Skilled Migrant)で永住権の申請をすることが認められなくなります。

一方で、現状、”Skilled” とみなされていないけれど、年収が$73,299 を超える稼ぎのある人は、改正後、”Skilled Migrant”とみなされるようになり、技能移民部門で永住権の申請ができるようになります。こちらの方にとっては、うれしい改正ですね。

それにしても、こんなガラリと年収で足きりされては、夢も希望もあったものではありませんよね…。しかし、これが現実、という法改正が行われました。

2017年4月のSkilled Migrant Category の変更について
https://www.immigration.govt.nz/about-us/media-centre/news-notifications/skilled-migrant-category-changes

法改正について、移民局の大臣である、Michael Woodhouse氏の見解も含めた、政府からのメディアリリースです。
https://www.beehive.govt.nz/release/changes-better-manage-immigration

Essential Skills work visa 保有の方は読んでおこう。
https://www.immigration.govt.nz/about-us/media-centre/news-notifications/review-temporary-migrant-work-settings

どういった職種が求められているのか?

ニュージーランドでも、やはり、”Kiwi first”という考えがあり、移民に職を奪われ、自国民に職がなくては、困ったことになります。移民を永住者として受け入れるならば、高スキルを持つ移民を、という方針です。

技能移民の部門として、ニュージーランド政府が今のところ求めている人材のリストが以下になりますので、これらのリストをチェックして、自分の適性などを考えて仕事を探すというのもいいですね。

これらのリストに該当する内容は、今のところ永住権に近づきやすいと言われています。
こちらのページでは、自分の職種を入力して、ご自身の資格や経験がニュージーランド政府の求めるものと合致するかチェックできます。ぜひお試しください。
Skill shortage list checker
http://skillshortages.immigration.govt.nz/?_ga=1.61066988.1103287140.1493005837

法改正前にすでにニュージーランドで働いている場合どうなるのか?

2017年4月発表の年収の要件を考えると、これまでワーキングホリデーでなんとなく、おしゃれなカフェや日本食レストランで働きだした方で、永住権を獲りたいと考えていた方には、この4月の改正はかなり、厳しい内容ではないかと思います。

英語はなんとかなっても、年収で…という現実ですね。日本食レストランやカフェで働いている人の時給は、限りなく、ニュージーランドの最低時給の15.75ドルに近いのではないでしょうか?(もちろん、職場でのポジションにより、時給にも違いがあるでしょうから一概にそうとは言えませんが)
とにかく、最低時給で働いている場合は、指定されている年収$48,859 には到底及びません。

Essential Skills work visaを保有している人で、この平均年収に届いていない場合は、Lower-skilled Essential Skills work visaと位置づけられます。基本的にワークビザを出してくれた雇用主の下でのみ、そのビザの有効期限内でしか働くことができませんから、そのビザ有効期限内で政府指定の年収額までアップしない限りは、永住権の申請はできず、ビザの有効期限が切れるまでLower-Skilled Essential Skills work visa保有者としてしか働くことが出来ないことになります。そして、ビザが切れると帰国する、というのが原則的な流れかと思います。(現在保有するワークビザが切れるときに、最長3年間としたビザを再度申請すること自体は可能です。)



かといって、ずっと、Lower-Skilled Essential Skills work visaを更新しても永住への道はないことは明らかになっていますので、そこから抜け出すための行動に移していく必要があります。パッと思いついた選択肢を挙げてみます。本当にできるかどうかは分かりません。すみません…。

・ワークビザをくれた会社を辞め、政府指定の年収が得られる会社に転職する。
・ワークビザが切れるタイミングで、学生ビザに切り替え、スキルを磨いてランクアップを目指す。
※8月28日の改訂により、lowerレベルのビザが切れるタイミングになると、ニュージーランドを出国しなければならない期間(12か月)が定められました。それによると他のビザへの切り替えはできないことになります。ただ、その12か月間にスキルアップを目指せばいいですね。
・永住権申請のカテゴリーを変更する。
(一般技能移民部門(Skilled Migrant Category)での永住権を諦め、現地でニュージーランド人のパートナーを得て、ファミリーカテゴリーでの永住権を目指すなど)
あ、永住権のために偽造パートナーを得るとか、そんな違法なことはやめましょうね…。

いっそ、潔く諦め、いったん、日本で対策を練り、英語力とニュージーランド政府の求める職種で年収が48,859ドルを超える就職先を見つけられるようにして出直すというのもありますね。

話は、職種に戻して、さきほど案内した、Skill shortage list checkerのページにある、List of skilled occupationsに、View full list というリンクがあるのでそちらをご覧になると、Skilled Migrant Category (技能移民部門)として申請できる職種が載っています。

永住権を申請にあたって、ご自身の職種がリストに載っているかどうか確認してみてください。

法改正におけるニュージーランド政府の考え

そもそも、技能移民部門の永住権を取得するまでには、Expression of Interest (EOI)と呼ばれる、インターネット上での第1審査と、この第1審査で選出されると、移民局から第2次審査への招待状があり、それを受け取った後、第2次審査の本申請、という2段階の審査から成っています。

これまでならEssential Skills Work部門において、ワークビザを取得後、ニュージーランドへの技能移民部門の永住権取得を目指して、EOIのポイント稼ぎのためにワークビザの更新を繰り返し、結果的にテンポラリーなワークビザで長期に渡ってニュージーランドに滞在することが可能だったのですが、今回の法改正では、これまでテンポラリービザであるワークビザで長期滞在をしてきた移民に対して、Lower-Skilledのままでは、永住への可能性はないとはっきり明示されています。政府は、今回の法改正には、長期滞在してきた移民の数のコントロールすることと永住への淡い期待にストップをかける意図もあるとしています。

改めていうと、法改正の施行後にニュージーランドに入国してテンポラリーのワークビザを取得する方は、最長でも3年間のワークビザの範囲でしかニュージーランドに滞在ができません。そして、技能移民部門から永住権を申請する場合は、必要な年収を得ていない限りは、その申請も許可されず、ワークビザの切れるころには帰国するのが原則です。

すでにニュージーランド国内にいて、Lower-Skilled Essential Skills work visaを保有している人には、最長3年という期間は、適用されません。例えば、ニュージーランド国内にいて、既にEssential Skills work visaに申請している人であれば、現行法では、最長5年ですので、その期間の許可が出る可能性があるということだと思いますし、5年を取得した人が3年に短縮されることもないということだと思います。
ですが、法改正後、初めに取得したワークビザの期限が切れるため、次に申請する場合、そのビザの範囲は最長3年間ということになります。



そもそも、法改正後、ワークビザを更新できるのか?という疑問があるのですが、雇用者(経営者)側からの正当な再雇用の理由とそれが論理的(Labour market test)に証明され、移民局に承認されないかぎりは更新するということも難しいのではないかと思います。
今回の法改正では、雇用者側に対しても、できるだけキウイを雇う努力をせねばならないことが明記されています。それだけ自国民に雇用の機会を与えたいという政府の考えがあることがわかります。

ただ、3年間のテンポラリーのワークビザの期間が切れ、自国に帰国することになったとしても、一定の期間を経てから再度、働きに来ることは可能です。
その際には、スキルアップはもちろん、永住権取得できるように準備をきちんとしておきたいですね。

終わりに

今回の4月にあった法改正に触れて思うことは、やはり、自国民優先の動きが顕著になってきているなぁ、ということです。ニュージーランド同様、オーストラリアも移民に対して厳しくなっています。自国民優先なのは、当たり前ですから、ニュージーランド政府に恨みつらみを並べても仕方ありません。

ニュージーランドが好きで、ニュージーランドで生きていきたいと強く思うならば、目の前のできることをやっていくしかありませんね。頑張って技術者と認められる職と収入を得ること、英語の能力を上げていくこと、他もろもろ、必要な準備をしていきましょう。



あと、今回の改正で特に思ったのは、永住権の申請手続きは、専門家を頼った方が良さそうだ、ということです。
法改正の前にすでにEOIの申請をして1次の審査が通ったけど、2次審査の結果が出る前で法改正がされたりする人など、いろんなシチュエーションが出てくると思うので、自分のケースはどうなのか?!と不安になる方が多く出てくると思います。

それに、法改正の前後の期間は、移民局自体も組織としての対応があやふやだったりしそうなので、きちんと表に立ってやり取りしてもらえる人がいた方が安心できますし、一緒に戦略を立ててくれるのではないかと…(自分は移民専門家にお願いしたことないので詳しくは分からないですが)。

いろいろ、不安になりはしますが、自分で英語資料を読んだり、自分で移民局に直接問い合わせたりできるなら専門家の手助けはいらないかもしれませんね。(そもそもそういうことができない人は、英語能力テストで足きりされるから、永住権の申請できないんでしたね…。)
とにかく、Good Luck!

※移民法改正において、筆者独自の考え方になります。正確であるように心がけていますが、その正確性を保証するものではありません。当サイトにある情報により何らかのトラブルや損失・損害等につきましては一切責任を負えませんので、あらかじめご承知おきください。

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