世界初の人格を認められたワンガヌイ川(Whanganui River)のその後。

By Ang Wickham – Flickr: Whanganui River to Dublin Street Bridge, CC BY 2.0,

ニュージーランドの北島にある、ワンガヌイ川は、全長290メートルあり、ニュージーランドで3番目に長い川です。トンガリロ国立公園付近の山々を水源とし、ワンガヌイの町の真ん中を流れ、タスマン海へ流れ出ています。

昔は、マオリによって、水上交通の要として輸送ルートに使われていました。
今では、グレート・ウォークの一つ、ワンガヌイ・ジャーニーとして、川下りのアクティビティを楽しめることで有名です。

ワンガヌイ川に人格あり。

かつては水上交通で栄え、今では、カヤック、ラフティング、ジェットボートの水上アクティビティで人気のワンガヌイ川ですが、今年、2017年3月頃に人間と同じように『法律上の人格』を持つものとして認められています。

いきなり、人格が認められたというと、??って感じですよね。川に人格を与えるというのは、世界でも初めての事で、不思議な感じがします。
が、もともとワンガヌイ川は、国と、この川周辺で生活するマオリの部族(※イウィ、ハプ)との間で、ワンガヌイ川をめぐる権利などを長く争ってきた経緯があります。
結果的に、部族(イウィ、ハプ)が主張する、先祖から代々続くこの部族と川との深いつながり、マオリ族特有の神秘的な考え方を認め、それを反映した結果、ワンガヌイ川に『法律上の人格』を認めるに至ったということなんです。

人格を認められたワンガヌイ川には、人間と同じように権利や、義務や責任など有することになっています。
※イウィ(Iwi/部族)、ハプ(Hapu、部族よりもさらに下位に分類される)

川に”人格”を認め、さらに”顔”、”声”を。

そして、今回、新たにニュースとして取り上げられていたのが、人格を得ていたワンガヌイ川が、正式に自らの声をあげて川の権利や文化的な価値の存続を働きかけることになったというものです。
Whanganui River

もちろん、ワンガヌイ川がしゃべれるわけありません。

マオリ文化に見識のある、元マオリ党の共同代表だったタリアナ・トゥリア(Tariana Turia)と教育家、歴史家としても活躍するトゥラマ・ハウィラ(Turama Hawira)の2人がワンガヌイ川を代表して、ワンガヌイ川の人格を補完するために”顔”、”声”の役割を果たすことが決められたそうです。

ワンガヌイ川が”顔”、”声”を持ったということで、まず初めの仕事は、地域住民との話し合いを重ねていき、川の環境保護に関する取り組みを活発化させていくことのようです。

実際にワンガヌイ川がどう考えているかなんて、分からないし、代弁できるものではないので、嫌な言い方をすれば、人間のやってるプロレスじゃん、って思うのですが、ワンガヌイ川には『法律上の人格』が認められているわけですから、ワンガヌイ川(を代表した人間)が環境改善を訴えることやそれをみんなで考えることは、ワンガヌイ川の人格を守ることでもあり、真剣な取り組みなんですよね。プロレスとか言ってはいけないんです。すみません。
マオリのイウィのリーダーは、西洋人により植民地化される以前の姿、マオリが営んでいたマオリの考え方の再興を目指し、それに基づいて川の利益を守り、川の環境改善などに取り組んでいきたいとのことです。
ということで、マオリのイウィ、ハプを始め、地域住民含めて、同じ人格、権利をもつワンガヌイ川のために最善策を講じていこうとする真剣な取り組みであることを改めて強調してお伝えしておこうと思います。はい。

終わりに

マオリ族の神秘的な考え方は、マオリ神話を読むと理解がしやすくなると思います。ニュージーランドの北島は、マウイという英雄が釣り竿で釣り上げたものだとか、天地創造の話、冥界の話などすべての自然に神様が宿るという考えがあります。日本と似ているところがあるので、理解しやすいところも、また、日本的感覚とは違って、難解に思えるところも見つけられます。

今回のニュースであった、ワンガヌイ川に人間の代役をあてるというのも、言ってみれば、ジブリ作品の『千と千尋の神隠し』に出てくる、『川(の神様)=ハク』みたいな感じでしょうかね。あれはアニメですが、それを現実にしてしまうのがニュージーランドというか…。
マオリのイウィ、ハプにとって、ワンガヌイ川は、実世界と精神的な面の両方において確かに存在する、実体のあるものとして認識されており、その深い精神的なつながりを真剣に受け止めた今回の人間の代役の話、それにしてもユニークだなぁ、というのが一番の感想です。

▼参照
https://www.newshub.co.nz/home/new-zealand/2017/11/dame-tariana-turia-the-new-voice-of-whanganui-river.html

ポチっとしてくれたら励みになります! → 
にほんブログ村

関連記事

唯一日本からNZへ出ている直行便!

インターシティバス 検索

ピックアップ記事

レンタカーの利用について

ニュージーランドで車のレンタルの仕方についてご紹介したいと思います。 海外で車の運転をするには、海外運転免許証はもちろん、日本の運転免許証…

おすすめ記事

ページ上部へ戻る