ニュージーランドの映画史と代表作品ピックアップ

Miramer

1990年代以降、急速にニュージーランドの映画産業は、注目を浴びるようになってきました。その火付け役となったのは、ご存知のとおり、ピーター・ジャクソンの映画『ロード・オブ・ザ・リング』といっても過言ではありません。この映画で知られることになったように、ニュージーランドの素晴らしい自然はロケ地として人気があり、また、ウエリントンの海辺の街ミラマー地区には、世界有数の技術と才能が集結しています。これほどの注目を浴びるようになる以前のニュージーランドの映画産業はどういったものだったのでしょうか?
ここでは、少し昔を振り返って、ニュージーランドの映画の歴史をご紹介したいと思います。

ニュージーランド映画産業の歴史を振り返ってみると・・・

初期

●1896年10月13日
ニュージーランドで初めての映画がオークランドのオペラハウスで上映。
●1911年
初めてのカラー作品が上映。現存するニュージーランド最古の映画は、1900年にニュージーランド初の映画監督である、アルフレッド・ホワイトハウスにより撮影された『The Departure of the Second Contingent for the Boer War』。

●1914年8月1日
ニュージーランド初の長編映画の『Hinemoa』がオークランドで公開。

1960年代

1920年代から1960年代まで、ニュージーランドの映画産業はごく小規模なものでした。この時期、多くのニュージーランド映画はドキュメンタリー作品です。政府が設立したNational Film Unitは短編映画、ドキュメンタリー映画、宣伝資料などをプロデュースし、特に1970年に大阪で開かれた日本万国博覧会のために製作された『This is New Zealand』は、ニュージーランドでは劇場公開もされました。

1970年代から80年代

1970年代、ニュージーランドの映画産業の振興を目的に、政府によりニュージーランド・フィルム・コミッション(New Zealand Film Commission)が設立されました。これにより多くの映画が製作されるようになり、ニュージーランド映画界の復興がはじまったとされています。

●1977年
ロジャー・ドナルドソン監督の『テロリストたちの夜/自由への挽歌』は、初めてアメリカで公開されたニュージーランド映画。

●1981年、3本のニュージーランド映画が公開。
ジョフ・マーフィの『明日なき疾走』
マイケル・ブラックの『Pictures』
ロジャー・ドナルドソンの『スマッシュ・パレス-孤独な暴走-』
中でも『明日なき疾走』は大ヒットし、ニュージーランドでNZ$1.5 million の興行成績をあげ、ニュージーランド人がニュージーランドに関する作品で成功出来ることが証明されました。

1990年代以降 – 国際的な成功

1993年、ジェーン・カンピオンの『ピアノ・レッスン』が4つのオスカーを受賞して以来、ニュージーランド映画は国際的にも認められるようになりました。ピーター・ジャクソンの『乙女の祈り』(1994)やリー・タマホリの『ワンス・ウォリアーズ』は高い評価を得ていますす。
ピーター・ジャクソンは低予算ホラー映画『バッド・テイスト』(1987)でキャリアをスタートさせ、ハリウッドでもその才能を認められ、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作を監督しました。

『ロード・オブ・ザ・リング』の成功により、多くのハリウッド映画がニュージーランドで製作されるようになりました。撮影自体だけでなく、その後の編集作業や特殊効果なども、ニュージーランドで行われています。『ラストサムライ』(2004年)、『キングコング』(2005年)、『ナルニア国物語/第1章: ライオンと魔女』(2005年)、『カンフー・プリンセス・ウェンディー・ウー』 (小山田真主演、2006年)などはニュージーランドで製作されている作品です。

ニュージーランドを舞台にした映画で、ニュージーランドらしさが出ているものや映画興行で評価のあった作品をご紹介します。

Once Were Warriors (1994,Lee Tamahori) 邦題『ワンス・ウォリアーズ』

sorce by https://www.allmovie.com/movie/once-were-warriors-v134217/cast-crew
白人がマジョリティーとなっているニュージーランドで、マイノリティーとして生きる現代のマオリが置かれている貧困や生活苦を取り上げている作品です。この映画では、オークランド郊外に住むあるマオリの家族が抱える過酷な問題(白人の3倍の失業率、貧困、生活保護、劣悪な教育環境、暴力、アルコール依存など)を妻と子どもの視点から捉え、疎外感と逆境の中で子どもがマオリの先祖から受け継いだ力強さ、伝統文化に目覚めて誇りを取り戻してゆく描写は、植民地としてのニュージーランドの歴史と、同国の現状を捉えた問題作として国際的に大きな注目を浴びることになりました。

Boy (2010,Taika Waititi)

By Source, Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=26707225
マイケル・ジャクソンが世界を席巻していた1984年のニュージーランドの田舎町ワイハウベイを舞台に11歳の少年ボーイ(少年の名前)と祖母、弟、ヤギ、そして数人の従妹たちとの何気ない日常が突如、刑務所から出てきた父の登場で一波乱が起きるという、コメディ作品です。
この映画に出演した子どもたちは、すべてが現地の子どもたちで、一度も俳優経験のない子たちばかりだったそうです。実際に主役ボーイを演じたジェームズ・ロールストンは、撮影3日前にキャスティングされたそう。そして今や、その主役を演じた彼は、ニュージーランドの携帯電話会社のvodafoneのCMで目にすることができます。

Whale Rider (2002, Niki Caro) 邦題『クジラの島の少女』

By Source, Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=2068477
原作はウィティ・イヒマエラの同名小説。ニュージーランドの海辺にあるマオリ族の村、ファンガラ。この村の族長の娘として生まれながらも、女であるがゆえに伝統的ダンスや武術を学ばせてもらえないパイケアだが、祖父の反対の目をかいくぐってこっそり学んでいく。そしてある日、浜辺に大量のクジラが打ち上げられているのを見つけ、それを助けるためにクジラの救助に向かう・・・という、マオリ族における女の子の葛藤と成長そして、部族のあり方に悩む祖父たちを描いた作品です。

Goodbye Pork Pie (1981,Geoff Murphy) 邦題『明日なき疾走』

By Source, Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=17136154
19歳の少年が偶然拾った財布から車の免許証を見つけ、それを使って、黄色いMiniをレンタカーで借り、特にあてもないまま車を走らせます。最終的にはオークランドからインバーカーギルへ行くロードトリップムービーになっています。
この映画は、1970年~80年代の間でニュージーランド映画興行で初めて成功した映画とされています。この映画で成功した監督のジョフ・マーフィは、ハリウッドに進出しています。

The Piano (1993,Jane Campion) 邦題:『ピアノ・レッスン』

1993年公開のフランス、ニュージーランド、オーストラリアによる合作映画。第46回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品。19世紀のニュージーランドを舞台に、ピアノの音色を言葉代わりにする女性と、原住民マオリ族に同化した一人の男性との愛を描いた恋愛映画です。

Utu(1984,Geoff Murphy) 邦題:『UTU/復讐』

By Source, Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=43176140
撮影された1982年当時、最も予算をかけて作られたNZの映画だそうです。この映画での“UTU”が意味するのはニュージーランド原住民であるマオリ族の言葉で怨念のこもった復讐のことです。殖民してきたイギリス人とマオリの人々との戦いを描いています。

WHAT WE DO IN THE SHADOWS(2014,Jemaine Clement, Taika Waititi)
邦題:『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』

By Source, Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=42846182

ニュージーランドの首都ウェリントンのフラットで共同生活を送っている吸血鬼を描いた作品です。作何百年も生き続けているヴァンパイアたちがシェアハウスをしながら現代社会の中でお気楽な毎日を送っているさまを、彼らの日常生活を密着取材しているドキュメンタリーの体裁でコミカルに描いています。
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