ニュージーランドの就学前教育サービス/ECE(Early Childhood Education)Servicesについて

ニュージーランドの教育システムは大きく3つの段階に分けてみることができ、その教育内容は、ニュージーランドのユニークで多様な社会を反映したものになっています。

・Early Childhood Education (0歳~就学年齢まで)
・Primary and secondary schools (5歳~19歳、学校の義務教育は6歳から16歳まで)
・義務教育後の教育、職業訓練

3つある中から、ここでは、義務教育以前のEarly Childhood Education(ECE)Services 就学前教育サービスについてご紹介をしたいと思います。

ECE(就学前教育)は強制ではありませんが、現在では、95%の子供たちがこのサービスを受けているとされています。
ニュージーランドのECEサービスを提供するすべての保育施設では、「テファリキ(Te Whariki)」と言われる国統一 のカリキュラムが導入されています。テファリキとはマオリ語で「縦横に編む、敷物」を意味しています。このカリキュラムは4つの原則 と5つの要素を組み合わせて子供を育てようとする考え方です。各保育施設は、独自の特色・多様性を生かしつつ、このカリキュラムを取り入れています。施設にいる子供たち全員が同じレベルのことをできるようにする、という教育ではなく、子どもがやりたいことをサポートして、子どもの個性を伸ばしていく教育方針といえます。

ニュージーランドの就学前教育指針「テファリキ(Te Whariki)」について

4つの原則

・エンパワメント(Empowerment) 
カリキュラムは、子供の学び成長する力をつけさせる。
・ホリスティックデベロップメント(Holistic Development) 
カリキュラムは、子供たちが学び、成長する総合的な方法を反映する。
・ファミリーアンドコミュニティー(Family and Community) 
家族と地域コミュニティとの関係は不可欠である。
・リレーションシップ(Relationships) 
子供は、人々、場所、物との相互関係を通して学ぶ。

5つの要素

・子どもの健康と幸福(Well-being)
・子どもと家族が所属する安心感(Belongings)
・学習する機会は平等であり、子供の貢献は価値あるものとされる(Contribution)
・自分たちや他者の言語や文化が奨励され、守られる(Communication)
・子供は様々な環境で活発な探求を通して学ぶ(Exploration)

20時間無償幼児教育制度

3歳から5歳の子供たちは、週に20時間以内であれば、ECEのサービスを無料で受けることができます。(1日最大6時間)
保育施設運営の免許を持つ教員主導型の施設やコハンガレオ、プレイセンターがこの制度の対象です。利用者は、親の収入 や社会的地位、人種、家族の状況、などによる制限はなく、この制度を利用することができます。

ECEの種類

ECEのサービスには、大きくわけて、教師主導型と保護者主導型の二つがあります。また、全日制のものとパートタイム制のものがあり、複数を組み合わせて通うこともできるので、親は自身の仕事を考慮して各家庭であったものを選んでいます。

教師主導型(Teacher-led)

子供たちの世話、または教育をする施設の大人の半数は、資格を持ち、ECEの教員として認定されなければなりません。また、保育施設は、運営免許が必要です。国の定める各種基準を満たしていることが必須になります。

保護者主導型(Whanau-led、Parent-led)

保護者やcaregivers (ケアギバー)やWhanau(ファナウ)が子供たちの教育や世話をします。これらのサービスは、子供たちだけでなく、保護者やファナウたちにとっても重要とされています。家族とファナウは、子育てについて学び、社会的なかかわりやコミュニティとのつながりを通して保護者としての自信を育てるとともに、子供たちの世話や教育を行っていこうとするものです。すべてのECEとkohanga reo は教育省からの認可、承認を受けています。教育における標準的な要求を満たしているとされています。

教師主導型 ECEサービスについて/Teacher-led ECE services 

Kindergarten(幼稚園)

キンダーガーデン、通称Kindy(キンディ)。 New Zealand Kindergarten Associations (NZキンダーガーテン協会)に属する Community Kindergarten(コミュニティキンダーガーテン)を指すことが多く、NZ全国に26支部、430園の傘下コミュニティキンディがあります。
短時間預けることができる幼稚園で、両親のどちらかが家にいるなど、共働きでない場合の利用が多く、2歳から5歳の子供たちを受け付けています。
午前から午後のセッションで年齢の違うグループをみています。
幼稚園は、セッション制になっていることが多く、年齢によりセッション時間が午前や午後のみといったように分かれていることもあります。
利用できる時間枠が私立保育園やプリスクールよりも限定されることが多く、教師は幼児教育の資格が必要です。利用者負担は寄付金という形で求められることがありますが、私立保育園やプリスクールに比べれば負担額は少ないようです。

Education and care services (私立保育園)

Pre‐School 、Day Care Centre等ともいわれます。 
長時間預けることのできる保育所で、0歳から就学年齢までの子供たちを対象に、一日保育など、時間はフレキシブルに対応しています。私立で運営されていたり、コミュニティグループに設立運営さてているなどします。両親が共働きの場合に利用が多いようです。
モンテッソーリ、シュタイナーなどの教育哲学を取り入れた施設もあります。施設全体で半数の教師は幼児教育の資格が必要である。利用者料金負担があります。

Home-based education and care 家庭託児所/Childcare (預かり型、訪問型)

家庭で少数の子どもに幼児教育を行う形態のサービス。保育所や幼稚園に通うのではなく自宅、 もしくは、Educator(エデュケーター・教員)の家で行われる乳幼児教育です。1人のエデュケーターが一度に面倒をみれるのは最高4人まで、2歳以下の乳児であれば2人までとし、0歳から5歳までをみています。
どの Educator(エデュケーター)/Caregiver(ケアギバー)もHome-based careサービス会社に所属していることが必須で、そのサービス会社がコーディネートをして Educator/Caregiverを利用者家庭に派遣しています。利用者料金負担があります。

Whanau-led (ファナウ主導型)サービスについて

Kōhanga Reo コハンガレオ

マオリの言語と環境の中で保育サービスを提供する施設です。※ファナウが中心となって運営しています。
マオリ文化の継承を目的に1982年4月に最初の コハンガレオが設立されました。その後、約460か所で運営されています。授業はすべてマオリ語で行われ、子どもたち はマオリ文化に囲まれた環境で学んでいます。 ※通園する子どもたちの親、コミュニティの人た ちで構成されるファナウ(Whanau)と呼ばれるグループが運営責任を持っています。スタッフの雇用、子どもたちの健康・安全の確保、保育プログラムの実施、財政運営はこのファナウが行っています。

Parent-led services (保護者主導型)サービスについて

Playcentres (保護者運営 子供園)

0歳から就学年齢までの子供たちが対象で両親やメンバーの家族たちで協力して運営されています。このプレイセンターは、幼児教育としての子供の遊びの場を提供し、更に保護者同士の支え合いなどで子供と共に保護者も親としての成長を促進させる事を目的とした組織となっています。
免許をもった教員はおらず、保護者が日々の教育を行うため、子どもの教育に関するセミナーを受けるなど、各保護者はNZQA(New Zealand Qualifications Authority/NZ国内の各種教育機関の資格認定等を行う政府組織)認定のディプロマコースを履修、取得することが推奨されています。教師主導型のサービスに比べ利用者負担額は少なくなっています。

Playgroups(子育てサークル)

居住しているコミュニティーをベースとしたグループで両親やボランティアにより運営されています。一般的に一日に4時間まで、コミュニティホールや教会のような場所で行われることが多いです。

その他

Hospital-based/病院型

幼児教育の施設から離れた場所に住む家族や、病気や障害があり、通常の施設に通うことができない子どもたちが利用できます。教師は保護者に対して、子どもの活動や遊びに関する助言する。また本、パズル、知育教材なども貸し出ししている。

特別支援が必要な子供の教育

特別な支援が必要な子どもが就学前に専門家から教育を受けることができる施設があります。

参考サイト

http://www.education.govt.nz/
http://www.education.govt.nz/home/education-in-nz/
http://www.education.govt.nz/early-childhood/teaching-and-learning/ece-curriculum/te-whariki/foreword/

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