Photo:Becky Nunes
ニュージーランドの公用語は、英語とマオリ語です。ニュージーランドの日常生活の至る所で、マオリ語を聞いたり、見たりする機会があります。
地域の名前がマオリ語で書かれている道路標識など目に入ってきますし、テレビのニュースなどでもアナウンサーが最初に、『Kia ora/キア オラ/こんにちは』から始めることもあります。(実際には、キヨォラという感じに聞こえます。)
近年では、公用語とはいえ、流暢に使える人は、どんどん少なくなっており、それに対して歯止めをかけるべく、マオリ語委員会というのが、マオリ語の復興のため、毎年、7月~8月のうちの1週間をマオリ語週間としています。
期間中には、スーパーマーケットの商品名がマオリ語で書かれたり、マオリに焦点をあてた映画祭が行われたり、他にもマオリ語を含めた文化を見つめなおすイベントが各地で行われます。
ここでは、簡単にマオリ語の発音と単語をご紹介したいと思います。
マオリ語は、日本人にとっては、発音がしやすい言語です。というのもマオリ語は、音節(syllable)がすべて母音で終わるためです。
母音は、a,e,i,o,u の5つと長母音5つの合計10こあります。
(長母音を表すマクロン( ̄)を付けた a ,e ,i ,o ,u があります。)そのどれも日本語の発音のようにア,エ,イ,オ,ウ長音はアー,エー,イー,オー,ウーと発音されます。
子音は p, t, k, w, wh, h, m, n, ng, r の10こあります。ローマ字の発音とほぼ同じように発音すればいいのですが、whとngは、注意が必要です。
whは、基本的にワ行ではなく、ハ行に近い発音になります。
whakataneとあれば、”ファカタネ”という発音です。ngは、 喉を閉めて鼻で発音するガ音(カ゜音)のような感じで、例えば、‘sing’の ‘ng’ のような発音をします。
マオリ語であいさつ
簡単に単語をご紹介します。
Kia ora(キヨォラ)
こんにちは・ありがとう・はじままして
Haere mai(ハレマエ)
ようこそ・お入り・乾杯
Haere ra
またね
Morena
おはよう
Pomare
おやすみ
Ae
はい
Kao
いいえ
Kapai(カ バイ)
ありがとう
ちなみに、ニュージーランドのことは、マオリ語では、Aotearoa(アオテアロア)、長く白い雲、という意味になります。
日本人にとっては、理解しやすいけど、英語がネイティブの話者には、難しいマオリ語の発音
これまで述べたとおり、発音は、ローマ字と似ていますし、初めての単語を見ても、そのままローマ字読みをすれば、だいたい、その読みで合っているので日本人にとっては、易しいと感じる部分がありますが、ほとんどのニュージーランド人にとっては、難しいようです。
そんな中、ウェリントンの学生が作った興味深い動画がありますのでご紹介します。
学校の授業の一環で作った動画だそうですが、その学生がマオリ語を理解する上で学んだことをラップ調でミュージッククリップとしてまとめているものです。(動画はリンク先のページでご覧になれます。)
マオリ語の正しい発音の仕方は、それぞれ以下のように発音したらよいよ、というラップになっています。
Taupoは、Toe Paw
Motuekaは、More to Aye Car
Timaruは、Tee Ma Roo
Taurangaは、Toe Rung A
Matamataは、Mutter Mutter
第2弾も検討されているようで、SNSでは、とても良い試みだとしてシェアされていました。
マオリ語の話者が少なくなっていく中で、動画の冒頭にもあったように、”キウイとしてニュージーランドで生まれ育ったけれど、マオリ語を話すときはなんだかゲームをするみたい、ちゃんとマオリの言語にリスペクトして、きちんと話せるようになることが大事”という若い学生の問題意識には頭が下がる思いです。
第二弾が出たらまたご紹介したいと思います。
▼参照
https://www.newshub.co.nz/home/new-zealand/2017/05/student-creates-epic-m-ori-pronunciation-rap-video.html