ニュージーランドの公用語は、英語、マオリ語に加えて、2006年以降から第3の公用語として手話が認められています。
手話が言語?とはどういう事だろうと思いますが、そもそも言語は、簡単に言えば、コミュニケーションをとるツール(道具)ですよね。それを考えたら手話もコミュニケーション・ツールといっても差し支えありません。
さらにニュージーランド手話には、英語、マオリ語とは別に独自の文法体系があることや言語的な特性があるとされています。それらが後押しして『言語』と認められた理由なのではないかと思います。
絶賛、サインランゲージ・ウィーク開催中
現在、ニュージーランドは、ニュージーランド手話週間(New Zealand Sign Language Week)です。多くの国民に手話の重要性を広める取り組みがなされています。
興味深いと思ったのが、5月10日より、代議院( House of Representatives)での審議における質問の内容について、手話の通訳が行われるようになったことです。
これまでは、議会内での審議における質問事項をサインランゲージ・ウィークの間に限って、手話通訳を交えていたのが、今後はそれが毎回、行われることになったというわけです。
国政に関する審議がどういう風に行われているのかは、誰もが平等に知る権利がありますから、聴覚障害を持っている方々にはとてもうれしいことではないでしょうか。
ここで、ニュージーランド連立政権に参加している、グリーン党、党首によるメッセージが手話で行われているのでご紹介しますね。
Thanks @Deaf_Aotearoa for your amazing work on NZ Sign Language Week! Greens Co-leader @jamespeshaw took part in the leader’s challenge 💚#nzslweek #NZSLIsForEveryone pic.twitter.com/QhKLAMxLg0
— Green Party NZ (@NZGreens) 2018年5月10日
また、下のTwitterのツイートは、労働党の政治家、トレバー・マラードによるものです。
NZ Sign Language now has a permanent place at Parliament. From today every Question Time will have an NZSL Interpreter, as will Budget Day (17 May) for the Budget Statement and it will also be available during each stage of the Election Access Fund Bill. #NZSL #NZSLIsForEveryone pic.twitter.com/RWlIDLtu0U
— Trevor Mallard (@SpeakerTrevor) 2018年5月10日
聴覚障害のある人にとって、政治家による積極的な関与は、各種情報アクセシビリティにおける法整備に期待が持てて喜ばしいことですね。
法整備が早い、ニュージーランド
ニュージーランドでは、2006年に「ニュージーランド手話言語法」(New Zealand Sign Language Act 2006)が制定され、公用語として確立されています。
日本では、まだ、手話言語法は制定されていませんが条例としては、個別に各自治体で制定されているようで、法制定に向けた動きも大きくなっているようです。
この点においては、ニュージーランドは、聴覚障害をもつ人々への取り組みが日本よりも進んでいるようですね。
ニュージーランド手話は、ニュージーランド固有のものなので、日本の手話とはまた別のものです。マオリ文化の概念が含まれた表現があるなどニュージーランド的な特徴がある手話なんだそうです。
ニュージーランド手話に興味のある方は、こちらのサイトで練習用の動画が挙げられているのでチェックしてみてはいかがでしょうか。
▼参照
https://www.parliament.nz/en/get-involved/features/new-zealand-sign-language-goes-permanent-at-parliament/